この記事にはメンガタスズメ属(蛹)を調理する過程の画像が含まれています。苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
今回は、とある蛾(ガ)の蛹をレンチンして食べてみました。
タイトルが「メンガタスズメ属」となっているのは、種まで同定することができなかったからです。
ということで本題に入る前に、メンガタスズメ属について少しだけお勉強したいと思います。
メンガタスズメ属の蛾について
著作権者:Didier Descouens,ライセンス:CC by-sa 4.0 :<ウィキペディアより引用>
メンガタスズメ属には3種の蛾が分類されており、どれも比較的大型な蛾になります。
その中の1種であり、唯一日本に生息していないのが「ヨーロッパメンガタスズメ」です。
日本に生息していない種であることから、今回の蛹には該当しないと推測されます。
日本にいるのはメンガタスズメとクロメンガタスズメの2種
著作権者:Didier Descouens,ライセンス:CC by-sa 4.0 :<ウィキペディアより引用>
著作権者:Didier Descouens,ライセンス:CC by-sa 4.0 :<ウィキペディアより引用>
残りの2種は、「メンガタスズメ」と「クロメンガタスズメ」という種です。
メンガタスズメはアジア全域に生息していますが、クロメンガタスズメは南方系の種で九州以南に生息しています。
ここまで聞くと、じゃあ神奈川県で捕獲したこの個体は「メンガタスズメ」じゃね?となるのですが、最近ではクロメンガタスズメガ徐々に生息地を北上させているらしいのです。
本州の温暖地でもよく見られるという情報もあり、「メンガタスズメ」であるとは断言できなくなってしまいました。
まだこれが成虫だったら、模様や色の違いから判断できるのですが、蛹の状態だと違いが全く分からない!!(笑)
「髑髏蛾(ドクロガ)」という名でも知られている
成虫の背面にみられる模様が人の顔にみえることから、「メンガタ」という和名がついたのですが、それがドクロのようにもみえることから「髑髏蛾」という名でも知られています。
蛹のまま食べないで羽化させてから食べれば良かったね
研究室の後輩がくれた
どこから拾ってきたのかは忘れてしまったんだけど、研究室の後輩が持ってきてくれくれました。
後輩「これ拾ってきたんですけど…先輩食べます?」
野食家であることを公言していると、後輩がジグザグマのようにもの拾いをしてきてくれるので大変ありがたい。
なんの生き物か分からなかったのでかなり怖かったのですが、調べたら毒はなさそうだったので食べることにしました。
口吻を伸ばすと全長15cm
蛾の成虫の多くは、花の蜜や樹液、果汁などを吸うために口がストローのように長くなっており、これを「口吻(こうふん)」という。
後輩が拾ってきた蛹はすでに口吻が出来上がっており、蛹の外側でクルクルと丸まっていたので伸ばしてみた。
これが伸びる伸びる!どんどん伸びる!
口吻を含めた全長が15cm以上にもなってしまい、思わず自分のイチモツの最盛期と比較したが勝利しているかどうか怪しい。
触ると反射でブリんブリん動くからかなり…うん
写真ではなかなか伝わりづらいのだが、先がとんがっている腹部の指で触ると壊れたメトロノームのように腹部がブリんブリん動くのがなかなかに気持ち悪い(といいながら結構楽しんでた)
おそらく蛹に外的刺激に対して反射反応をしているだけだとは思うのだが、このブリんの速度が読者のみんなが思っている4倍くらい速いから初見で触るとかなりビックリする。
外敵から身を守るための行動なのかな?
俺が捕食者だったらあの速度のブリんブリんみたらびっくりして逃げるわ。
メンガタスズメ属(蛹)の食べ方
ということで前置きが長くなりましたが、食べていきましょう。
【手順➀】ラップでくるんでレンジでチン!
蛹には足がないのでレンジの中を逃げ回ることは無いと思いますが、風味を逃さないためにもラップでくるんで加熱します。
500wで1分温めたら、プスプスいってたので火が通ったと思います。
研究室のレンジなので教授か女の子にバレたら結構怒られるし嫌われると思いますが、僕はその時食べたかったのでやるしかありませんでした。(なお一部にはすでに嫌われている模様)
まぁこういうミスをしていまうのが僕の可愛いところでもあるので大目に見ていただきたい。
レンジの中で飛び出た体液はアルコールティッシュでしっかり洗浄しました!(後輩たちごめんね!)
メンガタスズメ属(蛹)の味
レンジから蛹を出した瞬間、ネコや鳥の良い匂いを嗅ぐときくらいの勢いで風味を感じ取る!ここを逃がしたらおしまいだ。
正直言うと、犬の甘い匂いがした。
嘘ではない、ちゃんとiPhoneのメモ帳にも残っている(僕は初めての食材を食べるときは必ずiPhoneのメモ帳に感じたことを全てメモする)
食欲をそそるニオイではないが、まぁ比較的良い香りがした。
ラップを開くと、飛び散った体液と共にプラスチックの包装紙みたいな蛹の外側がはじけて、中の成虫になる部分が覗いていた。
成虫にある翅は無く、その背面には「校則で禁止されてるけどオシャレしたいJKがこっそり染めるインナーカラーみたいなピンク色」がモサモサの表面の毛に彩られており
やっぱり虫もオシャレしたいんだな、という新たな発見をした。
とりあえず、頭部(胸部も含む)と腹部の2つに分けてみた。
腹部を口に入れてみた感想だが、鱗粉がスゴイ。
モサモサの毛から排出される鱗粉が舌に付くから結構食べにくいのだが、噛んでいくと確かな味を感じる。
例えるならそれは「豆」だ。
これまで、アブラゼミやヒグラシといったセミ類、ギンヤンマを食べた際に「豆みたいな味がする」と表現してきたが、この蛹からはセミよりも強い豆味を感じる。
頭部の外骨格は固いので少し気になるけど、腹部と同じように豆の味を感じた。
新たな疑問が浮かんだ瞬間だ。
ちなみに蛹の外側と口吻は食べる価値無し。味もしないし噛み切りにくい。
最後に
今回は、メンガタスズメ属の蛹をレンジでチンして食べてみました。
種の同定が難しく結局分かりませんでしたが、メンガタスズメ属について知識を得ることが出来たのでよしとします。
次は幼虫か成虫を食べてみたいね~
おわり!