埼玉や千葉、群馬、栃木、茨城、岐阜などといった一部の地域では、ナマズを食用として利用する文化があります。
最近は河川工事や護岸化などの影響もあり、あまり見かけることのなくなった日本淡水魚ですが、食用にされるだけあって淡白な白身がとてもおいしい魚です。
今回は、そんなナマズの目打ち釘を使ったさばき方をご紹介します。
大量の塩を使ってヌメり取りをする必要がないので、少しコツがいりますが時短で捌ける方法です
ナマズのさばき方
- 木のまな板(70cm以上があるととても良い)
- 出刃包丁
- 目打ち釘(アイスピック、キリ等でも代用可)
僕が使ってるのがこちらのひのきのまな板です。
ちょっと高いけど、注文してから作ってくれるので新鮮でいい香りがする。
もう2年間使ってるけど、分厚いからまだまだ長く使えるよ。
【手順①】出刃包丁で頭を叩いて失神させる
生きた状態のナマズを捌く際は、まず頭を叩いて失神させます。
ナマズの顎にはヤスリ状の鋭い歯が生えているので、フィッシュグリップでつかめるとやり易いです。
叩くときは一回で仕留めるくらいの強さで躊躇せずに思いっきり叩いてください。
【手順②】体表のヌメりを包丁でこそいで落とす
ナマズを失神させたら出刃包丁の刃を使って体表のヌメりをある程度取り除きます。(完璧には取り除けなくて大丈夫)
ヌメりを完璧に取り除いてから捌きたい方は大量の塩を使う方法がおすすめです。
↑この記事では塩を使って捌いています。
ここでヌメりを完全に取り除いたとしても、どうせ皮はすき引きして捨ててしまうので割と労力の無駄なんですよね。
ただ、ヌメりがあるとぬるぬるして捌きづらいので初心者の方は塩がおすすめ。
【手順③】目打ち釘をしてまな板に固定させる
包丁である程度体表のヌメりや汚れを取り除いたら、目打ち釘をしてまな板に固定させます。
個人的には手前のほうに固定させたほうが捌きやすいです。
ナマズの胸ビレはかなりしっかりしていて横にしたときにでっぱるので、気になる方はニッパーで切断しましょう。
【手順④】背開きにする
まずは胸ビㇾの下に包丁の刃を入れ、背骨に当たるまでまっすぐ下におろします。
次に、包丁を包み込むように持って、中骨に沿って背中側に切り込み線を入れます。
いきなり背骨に当たるまで刃を入れると、中骨に肉を残してしまうので、まずは浅い切り込み線を入れることでキレイにさばけると本に書いてありました。
皮一枚を切る感じで、尾まで切り込みをいれます。
2回目では、出刃包丁の切っ先が中骨にカリカリカリ…と当たるのを感じながら、包丁が背骨に当たるまで深く肉を切っていきます。
上半分の身を骨からはがすことができたら、下半分の肉にも包丁を入れ開いていきます。
これで背開きの完成です。
【手順⑤】内臓を取り除いて腹腔内を水で洗う
ナマズのような河川の生態系上位に君臨する淡水魚の内臓には寄生虫がいる確率が極めて高いので、かならず取り除きましょう。
腹腔内が血で汚れていた場合は水でキレイに洗い流します。
本当は濡れたキッチンペーパーやタオルなどでふき取るほうが、流水によって旨味が逃げ出さないので一番いいです。(あんまり違い分からないけどね)
【手順⑥】背骨だけ切断して身からはがす
次は、身から背骨を取り除く工程です。
これはちょっとテクニックが必要なんですけど、下の身や皮は切らずに背骨だけ切断します。
背骨だけ切断出来たら、包丁の向きを横にしてできるだけ背骨に身が残らないように身から骨をはがしていきます。
尾びれの根元まで来たら尾びれごと切っちゃって大丈夫です。
【手順⑦】頭部や腹腔、腹骨、ヒレを取り除く
頭ずばーん
腹腔スパっ
くっついていた身は2枚に切り離します。
腹骨が残っていたので、包丁の刃で骨を浮かせながらすきます。
皮をすき引きするときに邪魔になる長い尻ビレも取り除きます。
こんな感じにできればOK!
【手順⑧】皮をすき引きして精肉にして終わり!
皮のすき引きは練習しないと結構難しいんです。(いまだに失敗する)
まず、身の端のほうに包丁(柳葉包丁があれば良い)を入れ、身を数センチ切る。
この時皮は絶対に切らないでください。
数センチ切った身の部分を包丁と反対側の手で持ちながら引っ張ります。
この時、包丁は切る動きをしてはいけません。
あくまで、包丁は皮を切断しないような角度でまな板に固定するのがポイントです。
包丁を動かさずに固定しながら、反対側の手で皮を少し揺らしながら引っ張ってやるとうまくできます。
といいつつ皮にたくさん身を残してしまったのは僕です。
これは魚によってやりやすいやりにくいがあるんですけど、切れない包丁でやるとほとんどうまくいかないので良い包丁を買いたいですね。
すぐに食べない場合は、キッチンペーパーで水気を取って保存します。
ラップにくるんでジップロックに入れ、冷凍させればかなり高い鮮度のまま保存できます。
ナマズの食べ方はこちら
こっちが日本在来種のマナマズの食べ方
こっちが外国産(特定外来生物)のアメリカナマズの食べ方
最後に
今回は、マナマズの目打ち釘を使った捌き方をご紹介しました。
ヌメりの方法について、包丁でこそぎ落とすやり方や塩で取り除く方法を上げましたが、ウツボのヌメり取りでうまくいった「タワシ」を使えば、短時間でキレイに取り除けるかもしれません。
まぁその代わりタワシの中にヌメりが入り込んで、他の用途には使えなくなるんだけどね。(笑)
おわり!