この記事にはゴンズイを捌く(さばく)過程の画像が含まれています。また、血や内臓といったグロテスクと捉えられるものが含まれているため、苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
前回は、ゴンズイのさばき方について解説しました。
今回は、海釣りの外道「ゴンズイ」の美味しい食べ方や調理法、味についてご紹介します!
- ゴンズイの刺身
- ゴンズイの握り寿司
- ゴンズイのムニエル
- ゴンズイの炊き込みご飯
- ゴンズイの頭部チタタプハンバーグ
- ゴンズイの骨せんべい
などの調理法を試してみたので、よろしければご参考にどうぞ。
結論を言うと、「ゴンズイの頭部チタタプハンバーグ」以外の料理は総じて美味しかったので、ゴンズイは積極的に食べていきたいと思える美味しい野生食材でした!
食べ方➀ゴンズイの刺身
3枚おろしにした半身を適当に切って細かくしただけの料理です。
刺身が水っぽく食感が柔らかかったため、一言で表すならば「質の低いタイ」のような感じでした。
ただ、個人的にはナマズ特有の臭みなどを感じなかったため、食べやすいと思います。
※ゴンズイの生食をするに当たって、これまで確認されている寄生虫などを調べてみました。
こちらの論文では、「Arhythumacanthus fusiformis」という鉤頭虫がゴンズイの末梢血好酸球に寄生していた例が確認されています。
ただ、「Arhythumacanthus属」の鉤頭動物における人体症例は見つかりませんでした。
今回は過去の感染例を確認できなかったため食べてしまいましたが、この記事はゴンズイの生食を推進するものではないので、何かあっても自己責任でお願いします。
食べ方➁ゴンズイの握り寿司
3枚おろしにした半身をそのままシャリ(酢飯)に乗せて作った簡単料理です
刺身では「食感が柔らかい」と表現しましたが、半身丸ごとだと噛み切りにくい1本の筋があり少し食べにくい印象を受けました。
ただ、味に関してはクセも臭みもなく、すし屋で出されたら「これなんの魚だろうね?」なんかいいつつ普通に食べてしまうくらいの美味しさでした。
【食べ方➂】ゴンズイのムニエル
食べた人全員が口をそろえて「美味しい」と評価してくれた料理です。
元々クセのない白身魚なので、ムニエルとの相性はバッチリでしたね!
皮のヌメリをタワシでこすって落としてから調理しましたが、淡水のナマズと違って臭みを一切感じなかった点がストレスフリーでした。(あいつらはヌメリとってもやっぱり臭いので)
作り方×レシピ
材料
- ゴンズイ:3匹
- 塩コショウ:適量
- 小麦粉:適量
- バター:適量
- サラダ油:適量
【手順➀】半身に塩コショウを振って下味をつける
半身の表と裏に塩コショウを軽く振りかけて手でなじませます。
あまり味がない魚なので下味をつけて美味しくしましょう!
【手順➁】小麦粉を軽くまぶして衣をつける
焦げるといけないので小麦粉を少量まぶします。
焼く際には余分な小麦粉を落としてから焼きましょう。
【手順➂】サラダ油とバターを熱し、皮の面から焼く
熱した鉄板に油をひいて、バターを軽く溶かし全体に広げます。
いきなり焦げるといけないので、皮の面から焼いていきましょう。
焼き目がついたらひっくり返して反対側も適当に焼いたら完成です
【食べ方➃】ゴンズイの炊き込みご飯
白米とだし汁とゴンズイという非常にシンプルな炊き込みご飯でしたが、味の評価はなかなか高かったです!
刺身や寿司では「柔らかい食感」がマイナス評価でしたが、炊き込みご飯ではホロホロと崩れるゴンズイの身との相性が非常に良く、食欲が進むほどの美味しさでした。
もちろんナマズがもつ臭みなどは一切感じなかったため、一般の食卓に出しても恥ずかしくありません。
作り方×レシピ
材料
- 白米:2合
- だし汁:300ml(だしの素1本と水300ml)
- ゴンズイ:5匹
- 漬けダレ:下に記す
漬けダレの材料
- ★醤油:おおさじ2
- ★酒:おおさじ2
- ★みりん:おおさじ2
- ★しょうがチューブ:2カケラ
【手順➀】ゴンズイの切り身を漬けダレに1時間漬ける
3枚おろしにしたゴンズイの半身を細かく刻んで、★の材料と一緒にジップロックに入れて1時間漬けダレを染み込ませます!
【手順➁】白米は炊く前に30分間浸水させる
米は炊く前に30分ほど浸水させるとふっくらした仕上がりになるので、炊き込みご飯を作る際にはおすすめです。
【手順➂】材料を調節しながら入れていく
まずは浸水させたおかまから水を捨てて、ゴンズイが入っている漬けダレから先に入れていきます。(まだ身は入れない)
次に、300mlのだし汁を2合の目盛りに達するまで入れます(だし汁は軽く余ると思う)
だし汁を入れて軽く混ぜたら、最後にゴンズイの身を上に乗せて炊けば完成です!
【食べ方➄】ゴンズイの頭部チタタプハンバーグ
今回作った数々の料理の中で、(一番失敗したな)と思った料理です。
というのも、元々水っぽい切り身だったので、仕上がったハンバーグも中身がふにゃふにゃしていました。(火はちゃんと通っています)
また、頭部の砕いてミンチ肉にしたとはいいっても、フードプロセッサーなどではなく人力で頑張ったので、細かい骨がところどころに残っており「食べていて痛い」といったのが正直な感想です。
唯一良かった点は、臭みを全く感じなかったというところです。
次回は、フードプロセッサで完璧に骨も砕いて、肉の湿り気をちゃんと対処してから作ろうと思います。
刺身や寿司と違って、頭部の血や骨が混ざっていたため旨味はかなり感じました。
作り方×レシピ
材料
- ゴンズイの頭部:15個(大体250g)
- パン粉:20g
- ナツメグ:適量
【手順➀】ゴンズイの頭部を割って、エラと皮を取り除く
出刃包丁があれば比較的簡単に頭部を割ることが出来ます。
エラは腐りやすく、においの原因となる場所なので取り除きます。
皮のヌメリも臭いの原因となるので、皮ごと剥いで取り除きましょう。
15匹分の下処理を終えるとこんな感じです。まだゴンズイって分かるね。
【手順➁】怒涛のチタタプタイム!!!
この作業がかなり大変でしたが、とにかく出刃包丁で叩いて骨を砕いてミンチにしてください。
真面目な話、写真みたいに手首のスナップを利かせてやると肉片が飛び散るから止めた方が良いよ。
片手で出刃包丁を持ちながら、もう片方の手を出刃の背に当てて体重載せながら出刃の刃を当てていくとちゃんと骨も切断できます(疲れるけどね)
めちゃめちゃ大変だったので、研究室にいた同期と後輩に手伝ってもらいました。ありがとう
【手順➂】ミンチ肉になったら材料を全て混ぜる
コネコネしましょう
【手順➃】適当なサイズに成形したら焼いて完成!
自分の両手でキャッチボールするみたいに、ペタンペタン投げて中の空気を抜く。
中まで火が通るように中火でじっくり両面焼いたら完成です。
【食べ⑥】ゴンズイの骨せんべい
3枚おろしにする際にでた中骨も美味しくいただきました。ただ油で揚げただけですけどね。
作り方×レシピ
材料
3枚おろしが下手(自分のこと)だと、中骨にもかなり肉が残ってしまうので有効活用しましょう!
【手順➀】油で揚げる!終わり!
特に難しいことは無いです。ただ、キッチンペーパーなどで水気を取らないと油に入れたときに跳ねるので注意してください。
最後に
今回は、ゴンズイの美味しい食べ方や調理法、味の感想などを解説しました。
毒のトゲがあることから、海釣りにおける外道としてよく知られている「ゴンズイ」ですが、トゲさえ取り除いてしまえば非常に美味しい優秀な食材であることが分かりました。
サイズがあまり大きくなくさばくのが若干めんどくさいというのもあり、一般食用魚に昇格するのはイメージできませんが個人的には「これからも食べていきたいな」と思える魚です。
釣り上げる難易度も最低レベルで低いので、(最近ボウズ続きで釣りつまんないなぁ…)という方はぜひ狙って釣って、あわよくば美味しく食べてみてください!
おわり