この記事にはアカミミガメを捌く(さばく)過程の画像が含まれています。また、血や内臓といったグロテスクと捉えられるものが含まれているため、苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
こんにちは、野食家のガリオ(@gario01)です。
今回の記事では、ミシシッピアカミミガメをさばいて食べる方法(レベル的には備忘録程度のもの)を書きました!
- カメをさばきたいけどやり方が分からない!
- 何が必要なの!?手順は!?
という人向けの記事です。
だけど!!!ネットで調べてもあんまり情報が出てこない!(茸本さんという野食界で有名な人の記事が一番参考になりました)
ということで、以下のサイトを参考にしながら見よう見まねでやってみました。
カメをさばいて、その情報をネットに残してくださった先人たち(パイオニア)に感謝します!
目次
カメとの出会い
今回食べることになるアカミミガメとの出会いは、静岡県になります。
比較的大きなサイズでした。きっと「ペットを最後まで飼う」という覚悟が無い人が無責任に捨てたんだろうな…。
ミシシッピアカミミガメは外来種であり、日本に生息する在来の生き物や植生を荒らしてしまうため駆除の対象になります。
2020年には”特定外来生物”に指定されることも決まっています。(平成27年7月29日)追記(2018年10月14日)
結論から言うと、アカミミガメの”特定外来生物”指定は見送りになったそうです。
情報元:カメカメ日記
甲長は23㎝。いくつだろう…。
申し訳ありませんが、アカミミガメの年齢を調べる方法は知りません(ネットの情報を調べたけど信ぴょう性に欠けるのでやめておきます)
カメをさばく前に泥抜きを行うべし
魚やザリガニでも「泥抜き」を行います。
「泥抜き」を行えば、川の臭みを多少抑えることが出来るよ~。
あとは、胃の中を空っぽにすることで解体がかなり楽になります。
Q.泥抜きとは?
A.淡水産の魚介類に用いる料理の下処理の一種です。少し汚れた川や池、池などで育ったコイ、ウナギ、ナマズ、テナガエビ、ザリガニを1日~1週間、絶食状態(餌を与えない)にすることで、糞や泥を吐かせて綺麗な状態にすることです。
【アカミミガメの泥抜き】始めた日(2018年9月20日)
研究室の一室に置かせてもらうことになりました。
【アカミミガメの泥抜き】2日後(2018年9月22日)
はあぁぁあぁーーー??????( ゚Д゚)
2日目にしてやられました。まさかこんなに汚れるとは…。先が思いやられます…。
内容物は主にイネ科植物の葉や茎ですね。やっぱり植物は消化しにくいんだなぁ…。
【アカミミガメの泥抜き】4日後(2018年9月24日)
4日後から先は、植物のカスも無く大きく汚れることがなくなりました。
つまり、アカミミガメは食べて2~3日泥抜きしたら胃が空っぽになるようです。
ですが今回は念には念を入れて、21日間しっかり泥抜きしました。
サルモネラ菌感染症に注意しよう
カメを扱う際に、最も注意しなければならない人畜共通感染症として
「サルモネラ菌感染症」が挙げられます。(まじめな話)
カメだけではなく、あらゆる生物とフィールドに存在する細菌ですが、爬虫類は高い確率で保有していると言われています。
サルモネラ菌は爬虫類の消化管内に溜まっていて、人への感染経路としては「爬虫類の排泄物が何らかの経路を経て人の口に入る」などして感染します。
主な症状は、【胃腸炎・敗血症・髄膜炎】などがあり、幼児・高齢者・妊婦などの免疫が低下している人などの場合は重篤な症状を示すことがあるので、十分な注意が必要です。
今回は、こちらからカメをさばいていくので、もろに消化管に触れることになります。
つまり!衛生管理はしっかりしましょう!!
ということで本題に入っていきます!カメさばくぞ!
カメをさばくにあたって用意するもの・解体道具
左から順番に
出刃包丁 | カメの首を素早く落とすために使う |
フォールディングナイフ(2本) | 皮や肉を切る・剥ぐために使う |
ノミ | カメの甲羅をこじ開けるために使う |
フィッシュグリップ | カメのアゴをつかんで伸ばすために使う |
ハンマー(金づち) | ノミを叩くために使う |
金のこぎり(かねのこぎり) | カメの甲羅に切れ込みをつくるために使う |
ただ、全てちゃんと集めようとするとお金もかかるので代用できるものを挙げておきます。
ノミ⇒マイナスドライバー(茸本さんはこれでやってた)
フィッシュグリップ⇒ペンチ(ペンチは太いから少しやりづらいかも)
金のこぎり⇒100均ののこぎり(茸本さんはこれでやってた)
【カメのさばき方の手順1】フィッシュグリップでアゴをつかんで伸ばす
なかなか首を出さないからこれが難しい。
攻撃的になって首を出したところを狙って下あごをつかみます。
下あごをつかむとこんな感じです。
ぶら下げて、カメの首を伸ばします。
自分の体重に負けてだんだんと首が伸びてきます。
【カメのさばき方の手順2】伸ばした首を出刃包丁で素早く切断する(2人でやるのが好ましい)
最初に出刃包丁を突き立てて、刃を入れました。
あと、甲羅を押さえる人がいたほうが作業が非常にスムーズに進みます。
そのすぐあとに、出刃包丁の重みと体重を乗せて首を切断しました。
この過程でカメを無駄に苦しませないようにするのが、命を頂く人間の責任だと思っています。
肉に血が染みると美味しさが無くなるので、生き血を飲む人以外は捨てましょう。
あと、生き血を飲むのはおすすめしません。
以前すっぽんの生き血を飲んで入院したニコニコ動配信者をみなさんはご存知ですか?
僕のブログをGoogleの検索から読んでいる人はたぶん知ってるでしょうね(笑)
切断したカメの頭に注意!!!噛まれるぞ!
切断したカメの頭を見て、ふと手で拾ってみたら…。
いやこれは最後に一撃食らいましたわ。ちっちゃいペンチでつねられる感じですね。
頭を切断しても条件反射で動くので気をつけましょう。(そういえばヘビの時も咬みついてきたわ)
ゴム手袋の方は破れなかったけど、軽く肉まで裂けた。
血が出てきたので友達に絆創膏をもらって続行しました。痛いです。
【カメのさばき方の手順3】甲羅の横を切断する
背中側の甲羅とお腹側の甲羅のつなぎ目が最も切断しやすい部分なので、そこにのこぎりを当てて溝を作りましょう。
オラオラオラオラオラ!!!!!(完全に左親指が飛ぶ絵)
こんな感じで溝が出来たらOKです。最後までのこぎりでやっても構いませんが、部分的に厚いところがあるのでかなり大変です。
溝が出来たら、その溝にノミを打ち込んでいきましょう。
力強く打ち込むと「バキィ!!」という音と共に甲羅が割れます
反対側も同じようにやっていきましょう。
血は吹き出ないので安心してください。
【カメのさばき方の手順4】甲羅と繋がっている皮や筋をナイフで剥がす
甲羅の切断が出来たら、繋がっている皮や筋をナイフで切りながら剥いでいきます。
内臓を覆ってる膜を剥がすとこんな感じです。だいぶ内臓が分かりやすくなりましたね。
【カメのさばき方の手順5】内臓を取り出す
内臓は、繋がっている膜を丁寧に剥がしながらやれば、それぞれ分けることが出来ます。
気を付けるべきは、胃・胆のう・膀胱(ぼうこう)・腸の4つです。これらさえ破かなければOK
心臓(ハツ)は食べれる
卵巣(キンカンとも呼ばれる)は食べれる
卵になる前の黄身の部分です。ビー玉くらいの大きさをしています。
茶色い肝臓は食べれる。黒い玉の胆のうは食べれない
胆のうは苦玉(にがだま)とも呼ばれており、破くと緑色の苦い汁が出てくるので絶対に破かないでください。
とか言ってたら友達が破いてしまった。
こんなことになって、食べれる内臓の緊急避難が始まったのでご注意を
背中の甲羅の真裏にあった謎のキレイな筋肉。背筋?
僕が指をさしている部分に合った筋肉です。背骨にあたる部分に沿うようについていて、無理やり引きちぎって剥がしました。美味しそうなので頂きます!
胃や腸や膀胱は食べない
これら3つは絶対に破かないでください。
でも今回は21日間も泥抜きをしていたので、内容物はほとんどないです。
膀胱を破くと、おしっこが出てくるから注意しよう。(プルルン♪)
腎臓は食べれない。+謎の臓器
この謎の臓器はいったいなんなんだ!?盲腸?総排泄腔?なぜ二股!?
どなたか詳しい方教えてください!!!m(__)m
【カメのさばき方の手順5】手足の肉をナイフで切り取る
ここは比較的簡単に出来ます。甲羅に繋がっている皮をナイフで切れば外せます。
甲羅の裏についている肉もそぎ取りましょう。もったいないですからね。
これでカメをさばく工程は終了
今回分けた食べられる内臓と手足の肉は、べつの記事に書きました!