この記事にはカブトムシをちぎって食べる画像が含まれています。人によってはグロテスクと捉えられるものが含まれているため、苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
小学生の夏休み、昆虫採集に夢中になって時を過ごした方は少なくないと思います。
特に、外骨格に重厚感があってカッコいいカブトムシやクワガタに魅了されたのは子供たちだけではありません。
そんなカブトムシですが、どうやら海外ではタイやラオスといった東南アジアの国々では食文化として浸透しているそうな。
自分の中に芽生えた「カブトムシは食べ物」という新しい知見をもとに、今回僕はカブトムシを食べてみた訳ですが、よく聞く「土臭さ」はあまり感じられませんでした。
この記事では、カブトムシの食べ方や素材の味、部位別の肉量を解説していきます。
サバイバル環境下における食材としての価値を見極めたかったので、素焼きというシンプルな方法で味付け無しで調理してみました。
食べ方:カブトムシの素焼き
まず最初に結論を述べるならば、素焼きでのカブトムシは食材としてOKです。
カブトムシを食べる前に「腐葉土を食べているから土臭い」という意見を聞いていたため、「先入観で臭く感じちゃうかな~?」と思っていましたが、予想に反して土臭さはありませんでした。(個人差はあると思います)
僕の言う「食材としてイケる」というのは、臭みがないからマズくはないよ。というのと同義です。カブトムシの味に嗜好性はありませんが、サババル環境下なら喜んで食べるでしょう。
今回食べたのは外骨格を剥がした裏にある筋肉の束です。
いくらカブトムシの幼虫が土を食べて育つといっても、成虫になってしまえばカブトムシにとっての食糧は樹液に変わります。
牛の肉が牧草臭くないように、カブトムシの筋肉が土臭くはなっていないように感じました。
「臭い」、「不味い」と言っている人は、素揚げされた幼虫や成虫を丸ごと食べた可能性が高い気がします。
丸ごと食べると内臓や消化管も味わうことになるので、未消化物の臭みがダイレクトに伝わるのではないかと思いました。
とりあえず今ここで言えるのは、素焼きしたカブトムシの筋肉には臭みはないので食材としてOK。ということです。
作り方×レシピ
材料
- カブトムシ
- 火元(今回は炭)
ここをつまんでください。と言わんばかりのフォルムをしている。
調理する人に優しい設計となっているのもカブトムシの特徴
【手順➀】外骨格が炭化するまでじっくり焼く
結果的に僕は炭で約30分間焼き続けました。
初めて食べる食材というのもあり、寄生虫やなんやらが怖かったのでじっくり焼くことになりましたが、中の筋肉は無事だったのでOK
外骨格が思ったよりも頑丈で表面が焦げるだけだったので、アルミホイルいらずですたね。
ただ、30分は長すぎたのか中の筋肉がパッサパサになっていたので、20分くらいでも十分な気がする。
いずれにせよ昆虫の生食は危険なので、ここでの数字は参考程度にして自己責任でお願いします。
完成:カブトムシの素焼き
網の上でひっくり返している途中、炭化した角や手足がボロボロと崩れてしまったが、中の筋肉は無事。
カブトムシの強靭な肉体を包むそれまた強靭な外骨格。
すぐに強火にしてハンバーグを焦がしてしまう料理ヘタのお茶目さんでも安心して調理できます。
カブトムシの部位別の評価
ここからは、カブトムシの部位別に肉量や味の評価をしていきます。
このパーツは食べれる!食べれない!みたいな感じです。
前翅:硬くて無理×
炭火で焦げているというのもありますが、外骨格である前羽は堅いキチン質で構成されているため、食べる価値はありません。
手脚:硬くて無理×
素焼きしたカブトムシの手脚は前羽と同様に食べる価値はありません。いつまでも口の中に残ります。
角:硬くて無理×
まぁもちろん無理でした。犬も食べないでしょう。
胸部(前胸):中の筋肉は食べる価値あり〇
胸部の一部である「前胸」からは、ある程度の肉量が取れました。
肉の味ですが、「何に似てる?」と問われたら、「セミ」と答えますが、正直カブトムシの味と言いたいのが本音です。
甘味も苦味もなく、唾液とませて噛んでいると少しの旨味が出てくるだけの筋肉のカスです。
とはいっても、サバイバル時には貴重なたんぱく源となるでしょう。
胸部(後ろの部分):筋肉量が一番多い〇
胸部の後ろ部分をめくってみたら( ゚Д゚)
指でつまんで引きはがせるほどの筋肉の束が詰まっているではありませんか。
おそらく、カブトムシの可食部でもっとも筋肉量が多いのは胸部(特に後ろの方)でしょう。
セミも胸部の筋肉が最も多かったので、昆虫類では胸部がポイントなのかもしれない。
束になっている筋肉を口の中でほぐしていくと、ジャーキーの繊維質に似たものを感じ、昆虫の筋肉を彷彿とさせる細い肉が下の上でバラバラになります。
今回は焼きすぎてしまった関係で、セミほどの旨味は感じませんが、そこにはたしかに旨味があります。
そう、カブトムシにはカブトムシの味があるのだ。
腹部:味のないふ菓子みたいなのがある×
最後に腹部をほじくって食べましたが、筋肉は無く、パサパサになった内臓器官(?)が出てきました。
味のないふ菓子みたいな感じだったので食べる価値はないと言えるでしょう。
最後に
今回は、カブトムシの食べ方や素材の味、部位別の肉量についてご紹介しました。
何度もいいますが、サバイバル環境下でなら、素焼きのカブトムシにおける筋肉部分は食べる価値があります。
手間と可食部分の少なさを考慮すると常食はしませんが、いざという時には強い味方になってくれるはずです。
おわり