こんにちは、野食家ガリオ(@gario01)です!
今回の記事では、近所の川に生息しているヒラテテナガエビ(テナガエビの一種)の捕まえ方と捌き方(さばきかた)・美味しい食べ方をご紹介します!
ちなみに現在の時刻は朝10時半。気温は21℃です。
ヒラテテナガエビが生息する場所
ヒラテテナガエビは、千葉県より南の本州、四国、九州、台湾(海外)に分布します。
テナガエビは比較的流れの緩やかなところを好み、ヒラテテナガエビは流れがあり石の多いところに生息している。とよく言われます。
しかし実際には流れが緩やかで石が多い場所にもヒラテテナガエビは生息しています。
僕の個人的な意見として、川の底が砂地だとヒラテテナガエビがよくいます。
土手から2mほどの段差をジャンプして降ります。
冬は枯れ草がクッションになるから膝に優しい。
ちなみに僕は今こんな格好をしております。
「胴長(どうなが)」というもので、長靴とゴム製の胸まである完全防水ズボンが一体化したようなものです。
つまり、これを履いていれば冷たい水の中に入ってもなんともない!
今回のガサガサで使用した胴長【PVCウェ―ダ―】のレビュー記事はこちら!
https://gario01.com/gasagasa-dounaga/
テナガエビを獲る際に使う網はこちらです。
「タモ網」と呼ばれるもので、釣りやガサガサ(網を使って魚を取る漁法)に使われます。ガサガサで使うときは形状が丸いものより、川底に密着するこのような三角形が使いやすいです。
テナガエビの捕まえ方・獲り方(イラスト付き)
大きな石をどけると、ヒラテテナガエビが時々出てきます。そこで、あらかじめ構えておいたタモ網に向かって誘い込んでやれば捕まえることが出来ます!
ポイントは、ひっくり返す石より下流側で網を構えておくことです。
石をひっくり返したときに、砂ぼこりが舞います。
この時、勢いよくテナガエビが飛び出してくることもあるので注意深く見ておいてください。
砂ぼこりが水の流れで無くなり、水が澄んでくるとテナガエビが警戒してじっとしている姿が分かります。
ここで慌てて手を使って追い込むと失敗します。テナガエビはかなり速いです。
追い込むテクニックは2つあります。
1つ目は、テナガエビの尾っぽ側に網をかまえること。
多くのエビは、後ろ向きに向かって逃げる習性があります。その習性を利用しましょう。
2つ目は、テナガエビの顔の前で人工的に砂ぼこりを起こすことです。
手を使うと警戒心MAXになり、下手をすると逃げます。しかし顔の前に砂ぼこりを起こすと、ゆっくりと後ろに下がります。そこでかまえていた網にエビを追い込む戦法です。
落ちている木の棒などを用いてもOKです。
一時間ほどかけて、終了しました。かなり獲れました。テナガエビは合計で8尾です。
胴長(どうなが)を履くことで普段いけない深場にも行くことが出来ます!
最終的に、8尾のうち4尾ほど良サイズが獲れたのでお持ち帰りします。
ヒラテテナガエビの捌き方(さばき方)・下処理
ヒラテテナガエビの捌き方1.お酒で臭み消し
ヒラテテナガエビを蓋がついているタッパーに入れてください。
次にお酒をかけてください。アルコールなら何でもいいです。
アルコール成分は臭みに吸着し、火にかけたとき一緒に蒸発します。なので、お酒による臭み消しは多くの料理においてよく使われます。
料理酒は他にも、殺菌の効果や味を良く染み込みやすくさせる効果もあります。
酔ったエビが暴れるので必ず蓋を閉めてください。蓋が無ければラップでも構いません。
入れた直後
10分後の酒の色。
エビの体液や体内の汚れた水です。スゴイキレイな川では無かったので、多少の汚れは覚悟していました。
もっと丁寧にやるなら丸1日きれいな水で泥抜き(絶食状態にして体内の水をきれいにする作業)をしますが僕は全く気にならないのでやりません。
以前はやっていたのですが、泥抜きの最中に極限状態になったエビ同士が共食いを始めてしまうことがあったので止めました。
ヒラテテナガエビの捌き方2.尾っぽのトゲを折る
尻尾の部分にトゲがあります。この部分に水が溜まっているので、油で揚げる際にはじけます。あらかじめ折っておきましょう。
折った後の写真です。
ヒラテテナガエビの捌き方3.ワタ(心臓)を抜く
慣れてないとちょっと抵抗があるかもしれませんが、爪楊枝か何かを口に突っ込んでワタ(内臓)を引き抜きます。
ヒラテテナガエビの捌き方4.腰を反対に曲げる(仕上がりが綺麗になる)
腰痛もちの方が見たら血相変えて殴りかかってきそうですが、今はエビに集中してください。
エビの腰の山になっているところを反対側に無理やり折ります(仕上がりが真っすぐになります。)
ヒラテテナガエビの捌き方5.一旦洗う
ワタ(心臓)を取るときに少し汚れたので、一度洗います。
ヒラテテナガエビの捌き方6.水気をとる
水気があると油が跳ねるのでキッチンペーパーかティッシュで水気をとってください
【ヒラテテナガエビの丸ごと唐揚げ】の作り方
用意するもの
- 油
- レモン
- 処理済みのテナガエビ
丸ごと唐揚げの作り方1.小麦粉をまぶす
丸ごと唐揚げの作り方2.油へ!ポーーーン!!
XJAPANのTOSHIみたいなヒラテテナガエビがいますね。油で揚げると毎回こうなります。
香ばしい……。もう匂いからヤバいですね。
川の生物の中でもトップクラスの美味しさを誇ります。っていうか甲殻類自体が全部美味しい。
おそらく、これを沢尻エリカの前へ差し出し
と言ったら
とまあこんな風になってしまうに違いない。
ヒラテテナガエビは、外に持ち出し自然光に当てると美味しさが1.3倍になるという研究データもどこかで聞いたことがあるので出してみました。
ヒラテテナガエビの味は?
エビの味としか表現できないけど、めちゃんこ美味い…。
ちょっと専門的なことを言うと、テナガエビよりヒラテテナガエビは腕が丈夫に出来ているので食べごたえはあるけど普通にバリバリ食べることが出来る。味に関しては、テナガエビとは変わりない。
しばし堪能モードに入ります。
きゅっと絞ったレモンをかけたヒラテテナガエビを食べるとき、僕は全神経を味細胞に集中させる。身体のどんな微細な動きも止め、目を閉じる。金曜日の夕方、職員室の明りだけがついている中学校のような状態になる。無駄な感覚をそぎ落とし、味の向こう側へたどり着くための片道切符を手に入れるのだ。
時には不随意筋である心臓を止めるときもあるが、これは身体への負担が大きい為頻繁には行わない。15年に一度といったところだろうか。
まずは、長い腕を頂く。
バリッ…バリ…。
(あぁ…なんて美味しいんだ…。神よ…)
次に頭
ガブッ…
(無言の行いだ。言葉はいらない…。)
最後に最もおいしい部分である尾っぽを…。
パク…。
(はあぁあ!!嘘だ!!嘘だといってくれ!!どうして君はそんなに美味しいんだ!)
こうして万全の状態で僕に食べられ粉々に砕かれたエビはゆっくりと胃に落ちていく。
ごちそうさまでした。
かかった時間は30秒。食卓において最も幸せな30秒であった。
終わり。