今回は、自分なりにアレンジした縄文クッキーの作り方と味についてご紹介します。
前半は、縄文クッキーと残存脂肪酸分析法における問題について触れているので、作り方が気になる方は飛ばしてお読みください。
縄文クッキーは本当に存在したのか?という話
みなさんは、「縄文クッキー」という食べ物をご存じでしょうか?
簡単に言えば、縄文時代に食べられていたとされるクッキーのことです。
Googlescalar(論文検索エンジン)で「縄文クッキー」と検索してみると「脂質分析を通して縄文人の食生活を探る-J-Stage(中野,1998)」というタイトルの文献が見つかりました。
内容を簡単にまとめると、以下のようになります。
動植物を構成する有機物のうち「脂質」は長期間変化せず残る
↓
「残存脂質分析法」を用いて動植物を特定する
↓
縄文時代の遺跡からクッキー状の炭化物が見つかる
↓
クリやクルミの粉に、シカ・イノシシ・野鳥の肉、イノシシの骨髄と血液、野鳥の卵、食塩などが入っていることが分かった
しかし、「食の科学、No.295(2002年10月),pp44-50」という雑誌では、以下の要点において縄文クッキーにおける残存脂肪酸分析の科学的根拠が疑われているのが現状です。
- 学術報告がない
- 動植物の推定プロセスが不明
- 栄養成分表の作成過程が不明
- 「発酵させていた」根拠が不明
- 科学的根拠がない
つまり、縄文クッキーに本当にイノシシの肉や野鳥の卵が含まれていたのかどうかはよくわからないのです。
自分は考古学や残存脂肪酸分析については全くの専門外であり、それに関する知識も一切有していないため、ここではどちらかの主張を支持することはできません。
今言えることは、「縄文クッキーには肉や卵が混ざっていたかもしれない」ということです。
とまあ歴史がどうであれ、もし自分が縄文人だったら間違いなく肉も混ぜてると思います。
なんなら、もっと色んな食材を試していたに違いないでしょう。
ということで、今回はガリオ風にアレンジした「縄文クッキー」を作っていきたいと思います!
淡水魚縄文クッキーの作り方
【手順①】ドングリ(マテバシイ)を拾ってくる
今回は、マテバシイという種のドングリを用います。
9~10月が季節のドングリで、アク(苦味)が少ないため生食もできる優秀な野生食材です。
魚の量と調節しながら作るので、とりあえず300gくらい拾ってきました。
【手順②】淡水魚を捕まえる
次に、川へ行きクッキーの「つなぎ」となる淡水魚を捕まえに行きます。
タモ網やさで網があると素人でも簡単に魚を捕獲できるのでおすすめです。
アユは場所や時期によって捕獲が禁止されている場合があるため、各都道府県の漁業権や内水面調整規則を確認するように注意しましょう。
関東におけるカワムツは琵琶湖からやってきた国内外来種なのでバンバン捕まえて食べてしまいましょう。
ギンブナと断定するよりフナspにしたほうが良かったかな?(笑)
ドングリの殻を割り、中身を砕いてドングリ粉を作る
ドングリを熱すると中が膨張し殻にひびが入るため、奥歯で噛んでやると殻を割ることができます。
火を使わなくても、ハンマーで上から軽く叩くことで簡単に殻を割って中身を取り出せるのでおすすめです。
中身を出したら、すり鉢とすりこぎでゴリゴリすりつぶしてドングリ粉を作りましょう。
大体の目安ですが、100g(中身の重量)のドングリを粉にするのに成人男性で20分~30分かかります。
かなり重労働なのでみんなでワイワイしながらすすめると楽です。
ぶつ切りにした淡水魚を混ぜて生地を練る
ドングリ粉と淡水魚の比率は大体、ドングリ粉(5):淡水魚(2)くらいでいいと思います。
正確に計っておらず適当に作ってしまっていたのですみません。
要は生地をクッキー状にしても崩れなければいいので、淡水魚を少しづつ足していくようにして練っていけばうまくいきます。
塩をかるくかけると味がついてGOOD
塩を少し混ぜてやると美味しくなります。
フライパンで焼いて完成
適当な大きさにして平べったくしたら、熱したフライパンでしっかり焼いて完成です。
強火の焚火で20分くらい焼いていた気がします。
淡水魚の生食は危険なので火は通しましょう。
淡水魚縄文クッキーの味
結論から言うと、普通に美味しかったです!
雑な調理だった上に、臭みも取り除いていない淡水魚がふんだんに盛り込まれていたので、(絶対臭いやん…)と思っていました。
ですが実際にはそんなことはなく、鍋に入れるつみれを焼いたような味とドングリのザクザクとした食感が相まってバクバクと食べれるくらいに美味しい仕上がりになりました。
縄文時代にもし食べられていたと仮定したら、なかなかいい食生活だなと感心するほどです。
生地にエビやカニを混ぜるとまた違った味わいになると思うので、今後試してみたいと思います。
最後に
今回は、自分なりにアレンジした縄文クッキー(淡水魚縄文クッキー)の作り方と味についてご紹介しました。
今回使用した材料は塩を除いてすべて野外から採取した野生食材でしたが、なんとか美味しいものを作ることができました。
また、Youtuberの「高波注意報」さんとのコラボ企画で、動画版もあるのでぜひチェックしてみてください!
【出演者に関する情報】
- 野食家ガリオのTwitter→https://twitter.com/gario01
- イカ太郎さんのTwitter→https://twitter.com/ika_tarou
- みすさんのTwitter→https://twitter.com/the_misstti
みなさんも、自然の豊かさを肌で感じながら縄文人の食生活に思いを馳せてみてはいかがでしょうか
おわり