節足動物

ウスバキトンボの食べ方・味|茹でる、蒸すの2パターン調理で食べてみた

ウスバキトンボ 食べ方

こんにちは、野食家のガリオ(@gario01)です。

今回の地球飯は「ウスバキトンボ(薄羽黄蜻蛉)」です。

  • ウスバキトンボって食べられるの?
  • ウスバキトンボってどんな味がするの?

というウスバキトンボ初心者の方向けに、僕なりの「ウスバキトンボの食べ方・調理法・味の感想」をまとめて書いてみました。

できるだけ素材の味を楽しむように配慮してるから安心してね!

名前はあまり馴染み深くないですが、世界的にも生息数が多く日本でも一般的にみられる種です。

捕獲編

事の始まりは、先輩に誘われた虫取りです。

「なあ、ガリオ~トンボ捕りついてこないか?」

マルタンヤンマという種の変わった捕獲方法を実践しようとしていた先輩に虫取りを誘われたので

「あ、行きます」

と二つ返事で答えました。

でええぇえいいいいやあああああぁあぁぁあ!!!!
はい、たくさん捕れました。

ウスバキトンボとは?

分類
トンボ科
亜科 ハネビロトンボ亜科
ウスバキトンボ属
ウスバキトンボ

「ウスバキトンボ」は、全世界の熱帯、温帯地域に広く分布する種の1つです。毎年、春から秋にかけて日本を北上します。ウスバキトンボが長距離を北上できる理由は、驚異的な繁殖力にあります。彼らは、卵から成虫になるまでの期間が一か月ちょっとなので、北上の最中に世代を変えながら進むのです。日本を北上する中で4世代にまで及ぶとも言われています。

おそらく、我々人間が日本を北上したとしても世代を変えながら進むことは不可能に近いでしょう

トンボは、繁殖力でそれをやってのけるのです。つまりトンボの繁殖力はすごいです。

トンボを持つときは、このように指で挟んで持つとトンボが傷みません
ウスバキトンボのメス

名前の通り、黄色の体に薄い羽根があるのが特徴です。

羽の付け根に黄色い模様があるので分かりやすいですね。

オスとメスの見分け方

[今日の観察]世界で最も普遍的なのに誰も知らないトンボ、ウスバキトンボの翅は本当に薄いのか?より引用

オスは成熟すると、背中に赤みが帯びるので見分けがつきます。

一見すると赤とんぼ(アキアカネ)に見えますが、分類学上においてアカネ属ではない為区別しなければなりません。

体長を計ってみたところ約5㎝でした。図鑑にも同様に「約5㎝」と記されていたため、このメスのウスバキトンボは成熟している大人のサイズだとみて間違いありません。

【ウスバキトンボの食べ方】パターン1「茹でる」

そんじゃま、前置きが長くなったけど調理に入っていこうかな

【ウスバキトンボの下処理】羽をちぎる

トンボの翅は味もなく食感も悪いです。なので、トンボを調理するときは羽をちぎりましょう。

羽をちぎろうとすると、この羽を素早く動かすために筋肉が「ビヨーン」となってくっついてきます。あの運動量ですからね、この胸部の中にはいったいどれだけの筋肉が詰まっているのでしょうか?

羽を乱暴にちぎると、羽がついている胸部が破れて壊れてしまうので慎重にちぎりましょう。

無理に根元からちぎらず、羽の途中でちぎってしまっても問題ありません。

羽をちぎるとこんな感じです。これで下処理は終了です。

【ウスバキトンボの調理】沸騰した鍋で3分茹でる

沸騰した鍋にトンボを投入して、3分間茹でてください。

茹でウスバキトンボ完成!

はい!もうこれで完成です!超簡単です!

目玉焼きとかよりもよっぼど簡単なので、小学校の家庭科で行う調理実習はもうトンボでいいのではないか?とさえ思いました。

茹でウスバキトンボの味

まずは、全体の総評からするよ!
  • 匂いは、ショウリョウバッタなどと似ている
  • 肉の甘みだろうか?ゆで汁と相まって、甘い肉汁のようなものを味わうことが出来る
  • 後味にかすかなイカ風味を感じる
  • 頭部の外骨格は堅く、カスが残るため食べるに値しない
  • 胸部に最も筋肉が詰まっており、各部位の中で唯一食べ応えがある
  • 腹部はほとんど空っぽだが、かつお節をまるめて食べている食感に似ている

結論は、

一匹から取れる肉量は少ないですが、頭部を除けば美味しく食べることが出来るのでおススメです!

次に、頭部、胸部、腹部の各部位における個別の感想を述べていきます。

【茹でたウスバキトンボの頭部の味・感想】

  • 噛むと甘みのある汁があふれ出ます
  • しかし、頭部の外骨格は食べづらくカスが残る。正直、食べるに値しない部位であると感じました。

【ウスバキトンボの胸部の味・感想】

腹部側から見た胸部の肉感です。

ジューシーな鶏肉って感じしない!?
  • 頭部と比較すると、より甘みを感じます(水分と肉の量が多いせい)
  • 頭部、腹部よりも最も筋肉の量が多く、食べ応えがありますね
  • 手足がシャリシャリしていて、喉に残るのでちぎってしまっても良いです

【茹でたウスバキトンボの腹部の味・感想】

  • 頭部、胸部と同様に噛むと甘い汁が出ます
  • かつお節をまるめて食べている食感がするので面白いです

【ウスバキトンボの食べ方】パターン2「蒸す」

「茹でウスバキトンボ」に引き続き、次は「蒸しウスバキトンボ」を調理していきます。

【ウスバキトンボの下処理】羽をちぎり、ラップに乗せる

「茹で」と同様にトンボの羽をちぎり、ラップの上に置いてください。

【ウスバキトンボの調理手順1】ラップでくるむ

お皿を使わないでラップを使った理由としては、ウスバキトンボを蒸したときの香りを閉じ込めたかったからです。

【ウスバキトンボの調理手順2】500wで1分間温める

これはあくまで目安ですが、500wで1分間温めると筋肉の色が「セミを焼いた時の色」に近くなるので、おそらく火は通っています。保証は出来ません(←コラ)

温め終わるとこんな感じです。体から水分が飛んでいる様子が分かります。

蒸しウスバキトンボの完成!

こちらは、茹でるよりも手間が格段に少ないので超簡単です。

ただし、実家のレンジを使うと「え、それやんの?はぁ……。」みたいなあからさまに嫌な対応をされるのでおススメしません!

早く昆虫食に理解あるシェアハウスに引っ越したいです!

蒸しウスバキトンボの味

まずは、全体の総評からするよ!
  • ラップを開けたときの香りは茹でたときよりも強く、よりトンボ風味を味わうことが出来る
  • 噛んだ時の感じは茹でたときとは違いゆで汁は出ない。しかし、肉に甘みはあり、確かな風味を感じることが出来る。
  • 頭部の外骨格は堅く、カスが残るため食べるに値しない(茹でたときと同じ)
  • 胸部に最も筋肉が詰まっており、蒸されて赤く染まっている。乾燥したツナに似ていて、旨味が凝縮されていて美味しい
  • 腹部はほとんど空っぽだが、かつお節をまるめて食べている食感に似ている(茹でたときと同じ)

【蒸したウスバキトンボの頭部の味・感想】

  • ウスバキトンボと同様に噛むと甘みを感じることは出来ますが、細かいカスが残るため食べるに値しません!

【蒸したウスバキトンボの胸部の味・感想】

  • 総評でも述べましたが、蒸されて赤く染まった筋肉が乾燥したツナのような食感で旨味が凝縮されていて美味しいです!

【蒸したウスバキトンボの腹部の味・感想】

  • 茹でたときとは違い、蒸すと汁は出ません。風味だけが残りますが食べごたえはあまりありません

もうほとんど空洞だからね。

最後に

そんな感じで、今回は「茹でウスバキトンボ」と「蒸しウスバキトンボ」について紹介させていただきました。

個体数も多く調理も簡単なので、皆さんもぜひ食べてみてくださいね!

そんじゃさいなら!

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