この記事では、ドングリの形状別(細長い、ずんぐり)や下処理を変えて作った「5種類のドングリ粉」についてご紹介します。
作り方や味の違い、保存性の違いなどについても言及しているので、何かの参考にしていただけたら幸いです。
目次
前提として、ドングリの堅果は割ってある状態で進めます
ドングリ(マテバシイ)の堅果を効率的に割る方法については、下の記事で解説しています
➀細いドングリだけを集めて作ったドングリ粉
1種類目のドングリ粉は、「細長いドングリ」だけを集めて作りました。
この記事では、横幅が1.0cm未満のドングリのことを「細長い」と定義します。
写真を撮り忘れましたが、細長いドングリを100g集め、すり鉢を使って粉にしました。
➁ずんぐりしたドングリだけを集めて作ったドングリ粉
2種類目のドングリ粉は、「ずんぐりしたドングリ」だけを集めて作りました。
この記事では、横幅が1.2cm以上のドングリのことを「ずんぐり」と定義します。
ドングリ粉を作る際にはフードプロセッサーなどがあると非常に便利ですが、家にない場合もあるので…ここで僕がおすすめするのが「すり鉢・すりこぎ」です。
100gのドングリを粉にするのに大体30分ほどかかるうえに疲労が溜まりますが、家族や友達と交代交代しながらやると楽しいですよ。
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➂細長い&ずんぐりMIXのドングリ粉
先ほど紹介した、「細長いドングリ」と「ずんぐりしたドングリ」の両方をミックスしたグループも1つ作りました。
➃茹でてから砕いたドングリ粉
形状にこだわることは無く、適当に100g集めたドングリを一度茹でてから砕いて粉にしてみました。
沸騰させた鍋にドングリを入れて5分ほど茹でていきます。
ドングリを入れた状態でしばらく沸騰させておくと、ドングリに付いている「渋皮」が水面に浮かんできます。
ドングリの渋皮は指で剥がそうとするとめちゃめちゃ時間がかかるので、渋皮を一気に取り除きたい方は茹でるといいよ。
ちなみに茹でている最中は、栗のような甘い香りが漂ってきました。
5分ほど茹でたドングリをザルにあげるとこんな感じ
ボウルにドングリを入れて流水でこぼれるくらいかけ流すと、軽い渋皮だけがボウルの外に流れるので簡単に分けられます。
渋皮を取り除いたドングリは、他のパターンと同じように、すり鉢を使って粉にしました。
茹でたドングリは焼いたドングリと違い、水分を含んでいるのですり鉢で粉にするときに柔らかくて比較的楽でした。
➄焼いてから砕いたドングリ粉
熱したフライパンに、渋皮のついた生ドングリを100g入れて炒っていきます。
強火だと真っ黒に焦げてしまうので、中火にして約5~10分ほど炒めました。
茹でたときとは違い、焼いただけでは渋皮を完全に取り除くことができませんでしたが、指で軽くこするとパリパリと音を立てながら渋皮が剥がれます。
気になる方は、すり鉢にドングリを入れる前に1つずつ渋皮を取り除きましょう。
焼いたドングリも、他のパターンと同じようにすり鉢で粉にしました。
結果と考察
5種類のドングリ粉を作り終えたので、質量の増減や味の違い、保存性の違いについて結果と考察をまとめてみました。
質量の増減
ドングリの形状別で分けた2パターンのドングリ粉における質量の増減はあまり見られませんでした。
元々100gのドングリを使っているため、作られたドングリ粉も100gになると考えられがちですが、すり鉢の溝にハマった小さな粉などは完璧に回収できていないため、10g程度のズレは誤差の範疇であると考えられます。
気になったのは、「焼いたドングリ粉」です。最終的に100gあったドングリが70gに減っているのは誤差の範疇とは考えにくいです。
おそらく、焼いたことによりドングリが含んでいる水分が大幅に消えたのでしょう。
逆に、「茹でたドングリ粉」は、含んだ水分が誤差で減った分の質量を補い、結果的に質量が変わらなかったのであると考えられます。
味の違い
正直言って、「細長いドングリ粉」、「ずんぐりしたドングリ粉」、「MIXのドングリ粉」については、味の違いを感じることはできませんでした。
自分の予想としては、エぐみの強い傾向がある細いドングリを集めた「細いドングリ粉」が一番食べにくいかな?と思っていたんですけどね…。
ただ、個人的には違いを感じることが出来なかったので、形状別でドングリ粉を作り分ける必要は無いと思っています。
焼いたドングリ粉と茹でたドングリ粉は風味が良い
形状別で分けて作った生のドングリ粉とは違い、焼いたり茹でたりして火を通したドングリ粉は栗のような甘い香りがします。
実際に食べてみると、焼いたドングリ粉はパサついていて食べにくいのですが、クッキーに混ぜ込んだりする際には、粉にする段階で風味をつけるのもいいのではないでしょうか。
保存性について
結論は「焼いたドングリ粉」が最強です。
下にスクロールして他のパターンのドングリ粉における経過写真と共に、カビのようなナニカの成長をお楽しみください。
茹でたやつは3日後にカビが生えた
写真を撮り忘れてしまっていたのですが、ドングリ粉を作って3日目には、「茹でたドングリ粉」に白いカビのようなものが生まれていました。
1週間後
細長いドングリ粉に黒いシミのようなナニカが生まれ始めている。まだ食べれそう。
ずんぐりしたドングリ粉からも黒いシミのようなナニカが浸食し始めている。あんまり食べたいとは思わない。
3日目に白いカビのようなものが生まれていたが、1週間後には全体的に侵食されていた。
ここまで来ると食べれるか否か?といった問すら生まれなくなる。
焼いたドングリ粉は1週間たっても無事なようだ。
17日後
左から順に、「細長い」→「ずんぐり」→「茹でた」→「焼いた」
「焼いたドングリ粉」以外からは、黒や白、オレンジのカビのようなナニカが生まれては、こぼれたお茶を拭こうと被せたティッシュに染みわたるお茶のように浸食の手を進めていく。
1か月後
順番は先ほどの写真と同じです。
左の二つ(細長い、ずんぐり)は完全に黒くなり、「茹でたドングリ粉」には、白、赤、黄、黒とカラフルなカビのようなナニカが生まれてしまいました。
もうここまで来ると完全に廃棄コースです。
唯一、「焼いたドングリ粉」からは、黒いシミやカビのようなナニカも生まれませんでした。
焼くことで殺菌され、かつ水分も飛んだのでカビのようなナニカが生まれにくい、繁殖しにくい環境ができあがったのではないかと推測できます。
ドングリクッキーの作り方や味の感想はこちら
最後に
今回は、ドングリの形状別(細い、ずんぐり)や下処理を変えて作った「5種類のドングリ粉」についてご紹介しました。
自分の結論としては、風味も保存性もある「焼いたドングリ粉」が最もおすすめという結論に至りました。
ただ、茹でたドングリ粉は、水分を含んでいて柔らかいので、粉にするときは非常に楽です。
なので、作ったドングリ粉をすぐに調理に使用する場合は、茹でるのもおすすめ
おわり