この記事にはミノムシを解体する画像が含まれています。また、赤い体液といったグロテスクと捉えられるものが含まれているため、苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
先日、知り合いのサバイバル食研究家:永井弘朗さんから、大量のミノムシ(781個体)を頂きました(半ば強引に持ち帰らされたw)
ブルーベリーの木に付いていた害虫だったのですが、捨てるのももったいないので、種の同定をしてから食べることに…。(地獄の始まり)
ということで今回は、ミノムシを同定する話と食べ方や味・食感についてご紹介します。
ミノムシの同定をする!【結論:チャミノガ】
「ミノムシ」という名前は聞いたことがあるかもしれないが、正確には、ミノガ科に属する蛾の幼虫全般を指している。
調べてみたところ、日本には約40種ほどのミノムシがおり、その中の「チャミノガ」と「オオミノガ」の2種が一般的に見られるようだ。
今回もらったミノムシはおそらくその2種のどちらかであろう。
ということで簡単な比較図を作ってみた。
大きな違いは、ミノを作る素材や形、枝に付く際の角度などが挙げられる。
僕はすでに採集したミノムシをもらったので、枝についていたときの角度は分からないため、それ以外の特徴で同定してみることにする。
こちたの個体を見ていただきたい。
ミノの素材に小枝を使用しており、紡錘形というよりかは形も円筒形をしている。そのうえミノのサイズも小さめなため、「チャミノガ」の特徴に合致しているのだ。
こちらの個体は、ミノの素材に小枝を一切使用していないし、形もどうやら紡錘形に近い気がする。
ただ、ミノのサイズが著しく小さく、中の幼虫の外見も他と似ていたため、おそらくチャミノガであろう。
図鑑に記載されていた「円筒形」という情報も、「小枝を使う」という生態も全ての個体に当てはまるわけではなさそうだ。
781個体全てのミノを剥いでみた
同定した後は食べるつもりでいたので、全てのミノの大きさを測った後に、ミノを剥いで中にいる幼虫の観察をすることにしました。
ミノの大きさをまとめた結果は以下の通りです。
ミノの大きさ(以上~未満) | 個体数 |
---|---|
~10mm | 340匹 |
10mm~15mm | 383匹 |
15mm20mm | 48匹 |
20mm25mm | 6匹 |
25mm30mm | 1匹 |
30mm35mm | 2匹 |
35mm40mm | 1匹 |
全体(781個体)のおよそ93%が、15mm未満のミノを持っていることが分かりました。
ちなみにこの作業は思ったよりも時間を要し、Amazonプライムビデオでワンピースのウォーターセブン篇を見ながら行ったのですが、22話分くらい進みました(およそ7時間)
結論:チャミノガ
- 全体的にサイズが小さいこと
- 小枝を使ったミノが多いこと
- 円筒形のミノが多いこと
以上の点から、今回貰ったミノムシは「チャミノガ」ということになりました。
ミノムシ(チャミノガ)の食べ方
ミノムシレシピ:チャミノガ全員集合おひたし
チャミノガを茹でたあとにかつおぶしと醤油をかけたものです。
味の感想ですが、土臭さのようなものは全くありません。
箸でつまんで10匹程度をひと口で食べてみると、口の中でプチプチで幼虫がはじけて体液とゆで汁が混ざった何かを味わえます。
沖縄で食べた海ブドウを彷彿とさせる食感で面白かった。
「どんな味?」と聞かれるとなかなか上手い例えが見つからないです……というか味はほとんどないです。
「かつおぶしや醤油のせいで味が消えているのでは?」と思ったそこのあなた!
もちろん味付け無しのチャミノガもちゃんと味わいました。
ですが、バッタやセミを焼いた時のような香ばしさがないため、食レポが難しいです。しいて言うなら豆っぽい味はありましたね。
幼虫の皮が結構丈夫なので、口に残りますがマズくはないです。
サバイバル環境下では貴重なたんぱく源になるでしょう(労力を考えると不適合ですが)
作り方×レシピ
材料
- ミノムシ(チャミノガ):適量
- かつおぶし:適量
- 醤油:適量
【手順➀】チャミノガを781個体剥く
ひたすら作業になるので、心が折れないように、何かの動画配信サービスに登録して好きな動画を見ながら行うと楽です。
初めての人でダラダラやる場合は7時間くらいかかると見込んだ方が良いかも
【手順➁】チャミノガ(幼虫)を沸騰した鍋で3分以上茹でる
何かの寄生虫がいると怖いのでしっかり火を通しましょう。
【手順➂】適当に盛り付けをして完成!
このまま味付けせずに食べるのもありですが、風味が無いのでかつおぶしなどがあると美味しくいただけます。
庭で枝を拾ってきたら、枝に対して約45度の角度でチャミノガを再現したらOKです。
最後に
今回は、ミノムシを同定する話と食べ方や味・食感についてご紹介しました。
マズくはなかったけど、量を用意するのにすんげー手間がかかるし嗜好性もなかったのでまた食べたいとは思いませんでした。
でもオオミノガとの味の比較はしてみたいな。あっちの方が大きいからちゃんと味しそう。
おわり